※この記事はなぞこさん(@nazoko_dayo)の
「謎解きについて書きたいことを書こう Advent Calendar 2018」に寄せて書かれたものです。
この記事は以下の6つの内容で構成されています
上から順に読んでください。
この記事はだいたい5分くらいで読み終わります。
謎解きゲームを実際に体験すると「自分もつくれるのではないか?」と思う瞬間があります。
実は、つくれます。
いざ作り出そうとすると「あぁ、問題はつくれそうだけど、公演はなぁ」と思うでしょう。
大丈夫です、つくれます。
ただ作り出してみると「あれ、なんか考えること多くて面倒くさそうだぞ」と思うはずです。
そう、何気に大変なのです。つくるのって。
そんな方におくる記事です。
ここに書いてあるのは白岩の謎解きをつくるときの考え方であり、
このやり方が当てはまるとも限りません。
読んでも謎解きが得意になったりしません。
謎解き公演は一種の物語です。
そこに制作者側からストーリーを提示していなくても謎を解く間でプレイヤーが勝手に物語を作り出していたりします。
謎解き公演を作る上で制作者側がプレイヤーの辿る物語の起承転結をしっかりと意識することが大切です。
起承転結のある謎解きをつくるためには?
はじめにやり方だけ伝えます。
大謎からつくりましょう。
いいですか?起承転結の転と結にあたる「大謎」からつくるのです。
ゴールが明確に見えている状態をまずつくる。
それだけできっと何度も助けられることでしょう。
謎解きの構成は比較的自由ですが
「小謎」
「中謎」
「大謎」
という3ステップが理解しやすいかもしれません。
小謎を解くことで指示がわかり、その指示にしたがうことで中謎、そして大謎へと続くよくある構成。
そう、最後の大謎からつくりましょう。
そして、その大謎に理由付けするように中謎、小謎を作ります。
文字だけだと簡単そうにつくれそうにみえますね。
大謎についてひとつ注意点があります。
大謎こそシンプルにつくること。
もちろん、閃くための方法は「あなたらしさ」でつくる必要がありますが、最後の謎こそ、誰もがその謎の展開を理解する必要があるからです。
「あ、なんだ!そんな方法だったの!」
俗に言うあと5分あったら私でも解けた現象です。
様々な謎解きの大謎をみると
小謎の発展系であったり、解くためのヒントの隠し場所が意外なところにあったりするようなシンプルな大謎を見かけます。
閃いてから最後の答えを導き出すまでをシンプルにするほど、最後の「解説聞いたらあと一歩だった!」という感情が起こしやすくなります。
小謎と中謎は大謎と絡ませる場合が多いので公演ごとにつくる順番が違いますが、
謎解きが得意ではない方でも「謎解きって楽しい!」と思える箇所をどこに持ってくるかが重要です。
いきなり原始人と会話させるもよし、途中で射的をさせるもよし、問題用紙を折らせるもよし、ワクワクするような仕掛けを考えておくと素敵な構成に仕上がります。
起承転結でいう起承の盛り上げにもつながります。
残念ながら謎解き公演はプレイヤー全員があなたのつくった全てを遊んではくれません。
だからこそ遊んでいて楽しいと思える場所を途中にもってくることを意識がけてみましょう。
そして誰にでもつくれそうな謎解きゲームだからこそ、少しでも多くの人が守らなくてはいけないことがあります。
「プレイヤーが最後まで安全であること」
もちろん謎が解けなければ60分後位には死んでしまいます。想像以上に謎解きゲームはとても危険なゲームです。
しかし、ゲームが開始してから60分間は安全である必要があります。
物理的、身体的にはもちろんですが、個人的に守らなくてはいけないのは精神的苦痛を与えないこと。
時々、新感覚、新体験という言葉たちに囚われて「何をしてもいい空間」がつくりだされる瞬間があります。
しかし、そんな時こそ誰も傷つくことがないよう細心の注意を払いましょう。
人に最高に楽しんでもらうためには、最低限の安全が必要なことを忘れないように。
ここまで書いておいてあれですが、
謎解きゲームをつくるために本当に大切なことを伝えます。
読んでいるときに「こういう謎ならどうだろう?」とか
「こんなの作りたいけど当てはまっているかな?」とか
少しでも想像ができましたでしょうか?
もし何かしら想像できたら
「形にしてみること」
それが謎解きゲームをつくるために本当に大切なものです。
考えるのは誰にもできます。
しかし想像したものを形にしてみるのはあなたしかできません。
紙と鉛筆だけでもよいです。
ネットの画像だけでもよいです。
簡単なものでもよいので謎解きゲームをまずつくってみてください。
そしてつくったら人に解いてもらいましょう。
もし解いてくれる人がいなかったら教えてください。
喜んで解かせていただきます。
ときには批判もあるでしょう。
ときには何もつくりたくなくなるときもあるでしょう。
ですが、この記事を読んで少しでもつくってみようかなぁと思ったらぜひ果敢につくってみてください。
少しでも謎解きゲームをつくるきっかけになれば幸甚です。
そうそう。
なぜ12/22にこの記事をあげようとしたか。
実はこの日に年内最後の白岩の携わった謎解きゲームが公演されるのです。
タイトルは「サンタ姫を助け出せ! -聖なる夜の水族館からの脱出-」
ぜひ遊ばれる方は全力で楽しんでみてください。
かいたひと:白岩ぱんだ
かいたひ:2018年12月22日